乳がんの教科書

乳がんの自覚症状@ しこり

がんは、身体の中で発生するものですから、
外側からはなかなか判断しにくいものです。
(もちろん、皮膚がんなど外側に明らかな症状が見てとれるがんもありますが)

 

しかし、乳がんは、一般的な「がん」の中では症状が分かりやすい部類。
「もしかして乳がんでは…」
と病院を受診する女性の7割は、「胸にしこりがある」と訴えるそうです。

 

そう、乳房は胃や腸などの内臓に比べて症状が見えやすいのです。

 

とはいえ、乳がんのしこりは、
最初はごく小さく、なかなか自分では見つけにくいもの。
5mm〜1cmくらいのサイズまで大きくなってようやく、
小豆のようなプチっとした感触ですぐに見つけられるようになります。

 

定期的に自分で胸をチェックすることが推奨されているのも、
乳がんが「自分で発見できるがん」だからに他なりません。

乳がんの自覚症状A 表面的な変化

自分の手で触って確認できる症状の他に、
乳がんの症状として多いのが「表面的な変化」です。

 

しこりが皮膚表面に近い部分にあると、
皮膚がしこりに引っ張られて乳房が変形したり、
赤く腫れてしまったりします。

 

また、乳頭から血液や膿のようなものが出るという症状を訴える方も多いようです。

 

かつては、
「乳がんだと分かれば乳房を切り取られてしまう」
という恐怖感から受診が遅れ、
まるでカリフラワーのような状態になってから受診するという女性も
少なくなかったようです。

 

現在では、初期であれば温存手術を選択することもできますし、
仮に乳房を全摘出したとしても再建手術する道も残されています。

 

また、早ければ早いほど、切らずに治療できる可能性も高くなりますので、
そこまで放っておく方はいないのではないかと思いますが…。

 

とにかく、わずかな症状も見逃さないよう、
1日1回は鏡の前で乳房の形状や色をチェックする癖をつけましょう。

乳がんの自覚症状B 痛み

痛みや熱といった症状を伴う場合は、炎症性乳がんの可能性があります。

 

これは皮下のリンパ管にまでがん細胞が浸潤している状態。
管が詰まってリンパ液の流れがせき止められるため、
発熱したり痛みが出たりするのです。

 

また、リンパ液の流れが悪くなるため、
わきの下が腫れたりすることもあります。
(わきの下にはリンパ節がありますので)

 

加えて、腫れたリンパ管が神経を圧迫することにより、
腕のしびれなどの症状が出ることもあります。

 

 

乳がんと間違いやすい症状

しこりや皮膚の腫れ、発熱や痛み…。
これらの症状が出た場合、
すぐに「乳がんだ…」と早合点するのはいけません!

 

実は、乳がんと似て非なる病気が他にもいくつかあります。

 

例えば、女性ホルモンである
エストロゲンとプロゲステロンの分泌のアンバランスによって
乳房内にしこりができたり、乳腺の一部がむくんだりする「乳腺症」
乳頭から分泌物が出ることもあるようです。

 

また、細菌感染によって起こる「乳腺炎」や、
ころころとしたしこりができる「線維腺腫」
乳頭から出血したり血液の混じった分泌物が出たりする
「乳管内乳頭腫」「葉状腫瘍」

 

いずれも症状が乳がんと非常に良く似ているため、
鑑別には精密検査が必要です。

 

場合によっては、その症状の背景に乳がんが潜んでいる可能性もあります。
「あれ、おかしいな」と感じたら、
すぐに専門医を受診して詳しく調べてもらいましょう。