乳がんの教科書

乳がんは再発・転移の危険性がある

外科的な手術や化学療法で、
一旦は乳がんが「治った」状態になっても、油断はできません。
なぜなら、血液やリンパの流れを通して
全身にがん細胞が拡散している可能性があるからです。
いわゆる、「転移」の可能性が残るわけですよね…。

 

乳がんの手術を受けた人の100人に2〜3人は再発・転移するというデータもあるのです。
(多くの場合は、もう片方の乳房にがんができてしまうようです)

 

一通りの治療が終わると、必ず、
3カ月に1回程度の受診を勧められることになると思います。
乳がんになるまでは年に1度の検診で良かったかもしれませんが、
一度乳がんを発症してしまった場合は、
少なくとも半年に1度は医師の診察を受けるべきです。
乳がんの再発・転移は、手術受けた乳房とは逆側の乳房に起こったり、
他の臓器に遠隔転移が起こったりします。
また、手術を受けた箇所に再発する恐れも否定できません。

 

乳がんは骨に転移するケースが多く、
その場合には転移した骨の周囲が痛んだり、
しびれたり、場合によっては骨折することもあります。

転移してしまったら…

乳がんをはじめ、がんにはそれぞれ、
“転移しやすい部位”というものがあります。
乳がんの場合は次のような場所への転移に注意が必要です。

 

【乳がんが転移しやすい場所】

 

●局所再発
手術して乳がんを取り除いた部分や、
その近くの部分に乳がんが再発するということを
「局所再発」といいます。

 

近くの部分とは、乳がんがあった付近の胸壁やわきの下、
鎖骨の上のリンパ節などです。
「また乳がんが…」と悲観的になってしまいがちですが、
他の臓器にがんが転移した場合に比べると予後は良好です。

 

特に、乳房温存手術後をした後に同じ乳房内に再発したという場合は、
放射線治療や化学療法などを継続することで
がんを小さくすることも可能なようです。

 

ただ、乳房を切除した後に再び乳がんが再発した場合は
ちょっと話が違ってきます。
それは、本当に局所再発なのか、
それとも全身に転移したのかの見極めが難しいからです。

 

検査で全身の転移の有無を確認し、
医師と患者、その家族で治療方針を検討していくことになります。

 

 

●遠隔転移
局所再発とは異なり、遠隔転移は、最初にできたがんの病巣から
遠く離れた臓器やリンパ節にまでもがんが転移することを指します。
乳がんの場合は、鎖骨上リンパ節、肺、骨、
肝臓、脳などに転移しやすいと言われています。

 

転移の有無をチェックする検査法としては、腫瘍マーカーやCT、
MRI、PET、X線、超音波、骨のシンチグラフィー等があります。

腫瘍マーカーとは?

乳がんを含め、がんの再発や転移を見極める際によく使われる
「腫瘍マーカー」という検査。
一体、どのようなものなのでしょうか?

 

そもそも腫瘍とは、細胞の一部が突然、異常分裂して
“しこり”になってしまうもの。
これには良性のものと悪性のものがあり、
悪性のほうがいわゆる「がん」です。

 

体内に腫瘍ができると、その腫瘍により特殊な物質が大量につくられ、
血液中に出現してきます。
健康な時にはこのような物質は見られないため、
この物質を「マーカー(=目印)」として使用すれば
がんの有無が分かるというわけ。

 

血液中にこの物質が基準以上に出たときは、がんの存在が疑われます。

 

ただし、腫瘍マーカーが陽性だからといって
必ずがんがあるわけではありませんし、
反対に陰性だからといって
完全にがんの存在を否定できるわけでもありません。

 

そのため、あくまでもひとつの補助的な検査として用いられることが多いようです。

 

方法としては、

 

@採取した血清にモノクロール抗体という試薬を加える

A試薬が、含まれている腫瘍マーカーと結びつく

BAの量を測定する