乳がんの教科書

乳がんの転移

がんで怖いのは、「転移」ですよね。

 

転移とは、がんが、発生した場所に留まらず、
血液やリンパの流れに乗って他の組織にまで広がって増殖することです。

 

乳がんの転移は、がん細胞が比較的小さい段階から起こると言われていますので、
たとえ初期の段階だったとしても他の場所に転移が進んでいることもあります。

 

ちなみに、筆者の家族は、乳がんが見つかった際には
がん細胞が4cmにまで成長していましたが、
幸いにも他への転移はありませんでした。

 

ですので、一概に
「成長しているから他の場所にも転移している」とか、
「小さいから転移はない」と言い切ることはできません。

 

転移する種類の乳がんの場合、がんが全身に広がってしまえば、
それだけ治療が難しくなります。
そのため、とにかく初期症状のうちに発見することが大切!
予後を考えれば、他の場所に乳がんが転移する前に
治療することが最も重要なのです。

転移の有無を調べる方法

乳がんが他へ転移した場合、その場所によっても症状は異なります。

 

例えば、乳がんが骨に転移した場合には、腰や背中、
肩の痛みが現れることがあります。
また、肺の場合には呼吸が苦しくなって咳が止まらなくなったり、
肝臓では食欲不振や黄疸が出るケースもあります。

 

転移の有無を調べる方法としては、レントゲンの撮影やCT検査、超音波検査、
骨のシンチグラフィー(放射性同位体元素を使った検査)などがあります。

 

乳がんが見つかった段階でこれらの精密検査を行い、
「転移があるか・ないか」「ある場合はどこにあるのか」と調べるのが一般的。

 

転移の有無や程度を的確に把握することで、
その後の治療を的確に行えるようになります。

転移と「ステージ」

乳がんの病期(病気がどこまで進行しているかを表す)は、
「ステージ」と呼ばれます。
転移の有無や程度は、この「ステージ」を判断する上での
基準の一つになっているようです。

 

ステージは0期〜4期に分かれていて、
肝臓や肺、骨への転移がある場合には4期と分類されます。
つまり、最も末期ということ。
ステージが末期に近づくほど生存率が低下することになりますので、
可能な限りステージの初期の段階でがんを発見することが望ましいといえます。

 

転移があった際の治療としては、
乳がんが骨へ転移した場合には放射線治療を用いたり、
抗がん剤を用いて全身に広がってしまった癌細胞を死滅させたり、
がん細胞の成長を抑制したりする方法があります。

 

抗がん剤にを使用すると、白血球や血小板が減少したり、
吐き気や嘔吐があったり、脱毛が起こったり、手足がしびれたり、
味覚障害が出たり…といった副作用があります。
この副作用の強さは、使う抗がん剤の種類にも左右されるようです。

 

ただし、最近は副作用を抑える薬の開発も進んでいますので、
吐き気や嘔吐についてはかなり緩和されるようですね。

 

また、乳がんの中には、
女性ホルモンを栄養源として成長していくタイプのものもあり、
ホルモン療法が用いられることもあります。

 

がんのステージや転移した場所によって治療法もだいぶ異なりますので、
医師と相談の上で治療を進めていくことになります。

 

全てを任せっきりというわけにはいきませんので、
やはりある程度のことは患者本人も勉強しておくことが大切だと思います。