乳がんの教科書

免疫細胞療法とは?

乳がん,免疫細胞療法

乳がんの治療法といえば、
「手術」「放射線」「抗がん剤」「ホルモン治療」といった治療法がメジャーですよね。
実際、乳がんに罹患した方の多くが、
このいずれかの治療法で治療されていたのではないでしょうか。

 

しかし、近年、乳がんの新たな治療法が台頭しつつあります。
それが、「免疫細胞療法」と呼ばれる治療法。

 

免疫細胞療法とは、

 

がん細胞を攻撃する機能を持つ「免疫細胞(リンパ球)」を
患者の体外に取り出し、

これを培養して大量に増殖

再び患者の体内に戻す

 

…という治療法です。
使用するのは自分自身の細胞ですから、副作用はほとんどありません。

 

2011年現在、最先端の治療法として注目を集めています。

 

しかも、いわゆる三大治療と呼ばれる
「手術」「抗がん剤」「放射線療法」と併用することも可能!
進行がんへの治療効果はもちろんのこと、
手術後の再発予防効果も多いに期待できます。

 

一般的にはあまり知られていないのですが、
既に、厚生労働省には「先進医療」として認められています。
各地の大学病院やがんセンターでも実施されている治療なんですよ。


そもそも、免疫系ってどんなしくみなの?

風邪などの比較的軽い病気から、
乳がんのような命に関わる大きな病気まで、
「病気」について語る上で「免疫系」の話がよく出てきます。

 

そもそも、私たちの体内では、健康な人であっても
毎日数百〜数千ものがん細胞が発生していると言われています。

 

よくよく考えてみると、それはしごく当然なことのようにも思えます。
なぜって、「兆」単位の細胞があれば、
そのいくつかがうまく働かなくなるのは容易に想像がつくからです。
会社ひとつとってもみても、数百、数千人と従業員がいれば
体調を崩して休んでいる人もいますよね。
家や工場の設備だって、全てがいつでも万全とは限りません。

 

それと同じように、体内の細胞でも
脱落するものがあるのはいたしかたないことではないでしょうか?

 

「じゃあ、誰でもみんながんになりかけているってことなの?」
ということになりますよね。

 

しかし、実際のところは、がん細胞が発生したからといって
すぐに発病に至るわけではありません。
そこが生き物のスゴイところ!
私たちの体内には、
発生したがんの働きを抑え込む様々なしくみが備わっているんです。

 

それが、免疫系です。
この免疫系の防御システムのおかげで、
私たちの身体は常に守られているというわけ。

 

ところが、免疫系の働きが何らかの原因で
(老化や過剰なストレスなど)弱まってしまうと、
この防御システムが崩れてしまいます。

 

それはがん細胞の増殖力を強めることとなり、
結果的には、乳がんをはじめとする
「がん」という病気となって現れてくることになるんです。

免疫細胞療法の目的

病変と化した乳がんの増殖を抑制するためには、
私たちが本来持っている「免疫細胞」の働きを強化する必要があります。

 

そのために生みだされたのが、免疫細胞療法。
1980年代後半に米国の国立予防衛生研究所で創始され、
様々な研究を経て今日まで発展を続けてきました。

 

他の治療法に比べると治療例も少なく、
日本ではこの治療法を実施できる病院もまだまだ少ないために
一般にはあまり知られていないこの治療法ですが、
ここ数年で知名度も上がってきているようです。

 

「いわゆる民間療法と似て非なるもの」
と思われる方もいるかもしれませんが、免疫細胞療法は
最新の細胞工学・分子生物学・免疫学の理論に基づいた最先端の治療法。
国立がんセンターや東京大学病院、
東京医科大学病院等でも臨床研究や基礎研究が続けられています。

 

乳がんになって担当医と今後の治療方針について話し合いの場を持った場合には、
この「免疫細胞療法」についても尋ねてみてはいかがでしょうか。

 

※免疫細胞療法でも、まれに、
発熱やアレルギーなどの副作用が発生する場合もあります。
全く副作用がない治療法ではないので、その点は誤解しないでください!