乳がんの教科書

入院前に気を付けること

乳がんで手術を受けることになった場合、
手術の前後を含めて10日〜2週間程度の入院を余儀なくされます。

 

…意外と短いですよね!?
かつては1ヵ月近くの入院が必要な時代もあったようですが、
2011年現在ではさほど長くは拘束されません。

 

ちなみに、乳がんの手術をすることが決まったからといって
「さあ、明日から入院してください」という具合にはならず、
手術のスケジュールやベッドの空き状況などの都合から
1週間〜1ヵ月程度待たされる場合も多いようです。

 

この間、気を付けるべきことは…

 

●怪我をしないこと
乳がんの術後しばらくは血液やリンパ液の流れが低下しますし、
リンパ節郭清をする場合には特に手がむくみやすくなって動かしにくくなります。
その上、ケガをしていたのでは何をするにも不自由…。

 

 

●体調をコントロールをしよう
乳がんの場合、食事の制限もなければ生活の制限も特にありません。
しかし、風邪で熱があったり、体調を崩していたりすると
手術がどんどん先延ばしになってしまう場合もあります。
睡眠を十分とるより、いつも以上にバランスの取れた食生活を心掛けて
体調をコントロールしておきましょう。
職場の上司に相談して、仕事の量を減らしてもらうことも必要かもしれません。

 

 

●薬の服用にご注意
薬の種類によっては、手術に備えて注視することが必要なものもあります。
普段から使用している薬がある場合は、
必ず医師に報告して指示を仰ぐようにしましょう。

 

 

●持ち物を用意しておく
10日以上も入院するとなると、色々と身の回りの物を準備する必要があります。
ここでは、一般的に必要と思われるアイテムを整理していますので
参考にしてみてください。
※もちろん、病院によっては不要なものもあります。

 

・入院申込書
・健康保険証(老人医療受給証)
・診察カード
・印鑑
・小銭(入院費用は大金なので後で家族に持ってきてもらいましょう)
・筆記用具
・テレフォンカード
・歯ブラシ&歯磨き剤
・くし
・化粧水
・せっけん
・洗髪剤
・バスタオル(3〜4枚)
・フェイスタオル(3〜4枚)
・胸帯(病院の売店で販売)
・下着

・パジャマ
・カーディガン
・靴下
・スリッパ
・マグカップ
・箸&スプーン
・ティッシュペーパー(箱)
・ウェットティッシュ
・ビニール袋 数枚(ゴミ用)

入院当日に気を付けること

当日は、必要な物を持って指定時刻までに受付に行きます。
その後、一旦、医師の診察を受けてから入院室に案内されるのが一般的。

 

提出書類を出し、入院に関する説明を受けたら手続きは終了です。

 

部屋に入ると、看護師から入院中の生活について説明があります。
その後、

 

@主治医から入院中の治療についての説明
A麻酔医から麻酔についての説明
B執刀医から手術についての説明

 

…それぞれの説明を受けることになります。
バラバラの時間に部屋にやってきますので、入院初日は結構忙しいですよ(笑)。
専門用語ばかりでよくわからない説明もあると思いますが、
わからないことは遠慮なく質問しましょう。

 

自分からでは聞きづらいという心配があるようでしたら、
家族の人に同席してもらって質問してもらうと良いでしょう。

 

入院中は、仕事のことや家族のことが気になって
気が急いてしまうことも多いと思いますが、
神様が与えてくれた休暇だと思って、ゆっくり過ごす覚悟を決めましょう。

 

手術と検査以外は自由なわけですから、読書や手芸など、
可能な範囲で趣味に時間を割くことができます。

 

乳がんのことを考えるなといっても無理な話だと思いますが、
あまり悲観的なことばかり考えず、
この機会に自分の好きなことをしてみると良いのではないでしょうか。

手術の前日

乳がんの手術前日は、入浴の時間を取るように指導されます。
シャワー室を使える時間は決まっていますので、順番を守って入浴しましょう。

 

ここで、洗髪、そしてわきの下の剃毛を行います。

 

主治医や麻酔医の回診などもありますので、
手術に関して不安なことや疑問な点があればここで解決しておきましょう。

 

翌日の麻酔の都合もありますので、前日は夕食も軽めです。
(おかゆ程度の場合もあります)
その後、翌朝の排便のために下剤を渡され、9時には消灯となります。

いよいよ手術当日…

【手術前】
乳がん手術の当日は朝から絶食です。
なぜかというと、嘔吐や胃の内容物の逆流を防ぐため。
水分も取れませんので注意してください。

 

体温や血圧、脈拍など体調のチェックも行い、異常がなければ、手術は決行。
哀しいですが、バストとはお別れです。

 

身につけているものは全て取り外し、
手術着に着替えたら自分の脚で手術室に向かいます。

 

手術開始30分前に肩に注射をし、いよいよ手術です。
家族とは手術室の前で一旦お別れ。
家族は控室で待機ということになります。

 

 

【手術後】
乳がんの手術後、目が覚めると、回復室にいると思います。
いわゆる、ICUですね。
点滴、お小水を取るための管、傷に入っている管(ドレーン)、
酸素マスク…と、全身が管だらけになっていますが、慌てないでください。

 

全身麻酔が醒めかけている時は、
人によっては気分が悪くなる場合もあると思います。
近くの看護師さんたちが、
たんを取ってくれたり吐き気を止める薬を用意してくれたりするハズです。

 

その後、麻酔が完全に醒めた後で病室に移動。
これは、だいたい翌日の朝ですね。
もう、すぐに食事も摂れますし、自分で歩いてトイレに行くこともできます。

 

あとは、傷口に入れた管を通る液が透明になるのを待つだけ。
乳がんで乳房を切除した場合、腕が挙がらなかったりむくんでしまったり…と、
動かしづらい状態になりがちですが、運動機能の回復を早くするためには
なるべく早いうちにリハビリを始めることが大切です。

 

入院中は1日数時間ずつ動作のリハビリテーションがありますので、
看護師の指導に従いましょう。

入院費ってどのくらい?

乳がんの手術で入院する場合、気になるのはその医療費です。 

 

乳がんを摘出する手術は公的医療保険(健康保険)が適用され、
検査内容や入院日数に応じて金額が異なってきます。

 

請求される入院費には、手術、検査、差額ベッド代、毎日の診察料、
治療費、食事料、寝具料などが含まれます。

 

健康保険を使ったごく標準的なケースでは、
2週間前後の入院で自己負担は20万円前後。 
支払いは、入院時に一部を前納し、
退院時に残金を支払うというシステムが多いようです。