乳がんの教科書

乳がんの手術が心に与えるダメージ

乳がんの手術には、ご存知の通り、
「乳房を切除する方法」「乳房を温存する方法」の2つの方法があります。

 

乳房を切除する手術はもちろんのこと、温存する場合であっても、
メスを入れると痛々しく傷が残ってしまう…。
“女盛り”の女性にとっては、精神的にも屈辱的なものでした。

 

しかし、現在では、乳がんを美しく治すための技術が向上しているんです。
「乳房切除術」の場合なら「乳房再建」の手術を合わせて行うことで、
きれいな形の乳房を取り戻すことが可能!
「乳房温存術」でも、切除する範囲を小さくすることで
変形を最小限に抑えることができます。

 

しかも、形成外科的な技術も駆使されるようになっていますので、
ひと昔に比べると傷もほとんど目立ちません。

 

…とはいえ、切除する場所や範囲によっては、
いくら「温存」とはいえ変形や傷が気になるケースも多数。
そのため、最近では、「乳房切除術」+「乳房再建」の組み合わせ
乳がんを治療するコースを選ぶ女性も増えているようです。

 

ここで一つ注意点!
多くの場合、乳がんそのものの手術(「乳房切除」や「乳房温存」)は
乳腺外科医が執刀し、「乳房再建」の手術は形成外科医が担当します。
傷を最小限に抑えるためには、それぞれの医師の腕はもちろんのこと、
この両者の連携がどれだけ取れているかたがポイントになります。

 

どちらの先生にも、
「なるべく傷は残したくない」
「できる限り、自然な乳房の形を戻したい」
という気持ちを強く訴えておきましょう。

 

医師によっては、
「とにかく乳房らしきものが戻れば良いんでしょ」
くらいの認識の医師もいるそうです。

 

女性にとってバストがどれほど大切なものかは
男性にはとうてい理解できないでしょうから…。

 

主治医が男性の場合は、この点、要注意です!

傷跡を目立ちにくくする技術 その1

乳がん手術の傷跡を目立ちにくくするための技術としてまず挙げられるのが、
内視鏡を使った乳がん手術です。

 

この技術で有名なのは、大阪大学医学部付属病院 病院教授の玉木康博氏。

 

この方法は、まず、わきの下と乳輪にメスを入れ、そこから内視鏡を挿入して
色素で印をつけた腫瘍部位(乳がんの病巣)を内視鏡下で確認⇒
切除するというもの。
世界でも、日本以外ではほとんど行われていない手術法なのだそうです。

 

この内視鏡を用いた乳がん手術は
腫瘍の大きさが3cm以下の患者さんが対象とされ、
主に、乳房の温存や再建を行う予定の患者さんに対して行われているようです。

 

しかし、全摘手術に応用されるケースもあり、
その場合でも内視鏡手術であれば乳房には小さい傷しか残らないのだとか。

 

内視鏡手術と乳房再建を組み合わせれば、乳房の皮膚の傷を
最小限に留めた状態で中身だけを入れ替えることも可能なのです。

傷跡を目立ちにくくする技術 その2

乳がんに泣かされる若い女性が増加傾向にある昨今。
年間4万人を超える女性が乳がんに罹患しているといわれています。

 

日本各地の病院や大学で、
乳がん手術の傷跡を目立ちにくくするための技術の開発が進められています。

 

例えば、金沢医科大病院乳腺内分泌外科・野口昌邦教授の技術。
これは、乳輪やわきの下などの比較的目立たない部位を切開し、
“切り口を移動させて施術する”という独自の技術。

 

数cm程度切開した部分に特殊な器具をはめ込み、
まるで“窓を移動させるように”して動かしながら手術を行います。

 

この「ムービングウインドー法」という手術法は
、従来と比べて乳房の傷跡が目立ちにくいのだとか。
同じく傷跡を目立ちにくくする効果のある内視鏡手術と比較しても
手術時間が短く、出血量も少ないのが特徴的です。

 

保険適用内で行えるのも嬉しいですね。

 

この方法を使用すれば、従来の乳房温存手術より傷跡が小さく、
乳房の変形も少ないのだとか。

 

また、傷口が小さいからといって乳がんが再発しやすいというリスクもないことが
明らかになっているようです。

 

「乳がんは治したいけど、バストは失いたくない!」
という女性にとって救世主となる技術といえますね。