乳がんの教科書

乳がん治療の費用はどのくらいかかる?

乳がんのみならず、“がん”の治療にはお金がかかるというイメージですよね。
突然のことですから、
「お金のことが気になって治療に躊躇してしまう」
という方も多いかもしれません。

 

「何か補助は受けられるんだろうか?」
「金銭的な支援制度はあるんだろうか?」
…これは気になるところです。

 

治療費の補助制度について調べる前に、まずは、
乳がんの診断と治療にどのくらいの費用がかかるのか見ていきましょう。

 

まず、診断ですが、「乳房のしこり」「乳頭からの分泌物」など、
具体的に気になる症状があって受診する場合は、健康保険が適用されます。
医療機関によっても異なりますが、初診料、視触診、マンモグラフィ検査、
超音波(エコー)検査を行って
通常は約3,000円〜5,000円程度でしょう(3割負担)。

 

治療については、次の表をご覧ください。
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受ける治療内容によって費用が大きく異なることが分かるでしょう。
※CMFとAC+パクリタキセルは抗がん剤治療です。
※抗エストロゲン剤とLH-RHアゴニスト製剤はホルモン療法です。

 

ここで注意したいのは、公的医療保険(組合保険や国民健康保険)が
適用されない治療があるということです。

 

例えば、人工乳房による乳房再建や、DNA診断、
乳房温存療法における鏡視下腋窩清術、重粒子線治療など
いわゆる“高度先進医療”に属する治療には保険が適用されません。

 

※ちなみに、治療上の都合でベッドを移動せざるを得ない場合は、
「差額ベッド代」を支払う義務はありません。
不当に請求されているケースもありますので、明細をよく確認しましょう。

知っておきたい補助制度

上記の通り、公的な保険が適用されたとしても、
乳がんの治療費は決して安いとは言えません。
生命保険に入っていない方は特に、これだけの出費は痛いでしょう。

 

しかし、そんな時のために、
「高額療養費制度」という補助制度があります!

 

これは、1ヵ月の自己負担額が、
年齢や所得に応じて定められている“限度額”を超えた場合に、
その超えた額を健康保険が負担してくれるというもの。
限度額は、表のような基準で決められています。
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【例】乳がんの手術や治療で月に100万円の医療費が発生したと仮定しましょう。
そのうち、本人が負担するのは3割なので30万円ですよね。
70歳未満で一般的な所得(月収53万円未満)の場合の負担上限額は…
負担上限額=80,100円+(1,000,000円−267,000円)×1%で計算され、
87,430円となります。
つまり、病院で30万円支払ったとしても、
差額の212,570円は「高額療養費」として戻ってくるというわけです。

 

さらに、1年のうち3回以上高額療養費制度が適用される治療を受けている場合、
4回目以降は負担上限額がさらに引き下がります!
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しかも、会社で加入している保険組合が肩代わりしてくれるケースもあり、
「実際に自分が負担するのは月に1〜2万円程度」という方もいるようです。

 

【高額療養費制度の注意点】
(1)自動的に適用されるわけではなく、自己申請が必要。
  知らずにいると損をする!

 

(2)月の1日から末日までにかかった自己負担額で計算する
 (月をまたげない)

 

(3)入院治療費と通院治療費は別に計算する

 

(4)基本的には事後申請で、手続きの際には病院から出されたレシートが必要!
 (支給まで2〜3カ月を要する)

 

(5)加入している医療保険から事前に「限度額適用認定証」を交付してもらえば、
  窓口での支払いを限度額までに抑えることが可能

 

ちなみに、乳がん検査については、
健康保険組合ごとに補助制度が充実しています。
対象者の年齢によっても補助金額が異なるようですが、
パナソニック健康保険組合では
40歳以上は上限5,000円まで補助してもらえます。

 

派遣で就労している方でも、はけん健保に入っていれば
2,000円程度で検査が受けられますので、
積極的に利用して検査を受けましょう!

がん保険に加入している場合

いくら補助制度があるとは言っても、月に数万円の出費が続くというのは
経済的にも不安ですよね。
その間、仕事もできないわけですし…。

 

やはり、万が一に備えて、民間の医療保険にも加入しておくのがベターでしょう。

 

ただ、民間の保険も、契約内容によって保障の範囲や金額は様々です。
事前によく確認しておかないと、もらえるハズのお金をもらいそびれた…
などということにもなり兼ねませんので、
乳がんが発覚したら、保険会社に電話して事情を説明し、
いくらまで保証してもらえるのか、しっかり確認しておきましょう。

 

ちなみに、「入院しなければ保険金はもらえない」
と思っている方も多いようですが、
契約内容によっては入院しなくてもお金を受け取れる場合もあります◎
何を聞かれても答えられるように、
医師から受けた説明(治療方針など)はしっかりメモを取っておきましょう。
(説明漏れによる誤解で、謝った金額で計算されてしまう場合もあるからです)