乳がんの教科書

がんは、告知される時代!

ひと昔のドラマなどを見ていると、
がんの告知は本人よりも先に家族に…というパターンがほとんどですよね。

 

しかし、最近の医療現場では、がんは本人に直接告知されます。
乳がんも然り。
例えば、胸のしこりが気になって病院を受診し、乳がんの疑いがある場合には
医師の口からハッキリと「乳がんの可能性があります」と告知されます。

 

そして、精密検査の結果でやはり乳がんであることが確定した場合は、
家族を連れてくるよう指示されます。
最終的な病名は、本人同席の上、家族に向けて告知されるというわけです。

 

実は筆者も、患者の家族として乳がんの告知を体験しています。
最初は、家族が医師から手渡されたという
「乳がん」の診断書が信じられませんでした。
ドラマなどの影響を受けているため、
「乳がんの人に向かって、そんなに簡単に“がんです”とは告知しないだろう。
きっと、何かの間違いだ」
と思って病院に向かいました。

 

しかし、行ってみてビックリ!
「病院って、思ったよりもずっとドライな組織なんだなあ」と、
カルチャーショックにも似た衝撃を受けのを覚えています。

告知の瞬間は…

狭い診察室に、レントゲン写真を囲むような形で座らされ、
そこで医師の口から病名を告げられました。

 

精密検査の結果、確かに乳がんが見つかったとのこと。
その時までは、
「自分や家族ががんを告げられたら、自分はさぞや取り乱してしまうだろ」
と漠然と思っていたのですが、
医師の口調があまりにも淡々としていたせいか、
思ったよりもずっと冷静に聞いていられたのを覚えています。

 

この体験を通じて強く感じたことは、
「病気は自分の責任で治す」ものであること。
治療法を医師に委ねるのではなく、乳がんの患者自身が自分で考え、
一つ一つ自分で選択して前へ進んでいかなければならないということです。

 

「それは、単に医師の責任逃れではないか」
「いきなり本人に告知なんて残酷じゃないか」
と思われるかもしれませんが…
よくよく考えてみれば、患者は医師に治療を依頼するわけですから、
自分の治療法を自分で選ぶのは当然のように思えます。

 

その時の医師は、

 

「乳がんだからすぐに手術というほど簡単なものではありません。
乳がんにも様々なタイプがあって、治療法も様々です。
患者さん自身や家族の方が、怖がらずにしっかりと勉強して、
納得できる治療法を選択することが大切なんですよ」

 

と言っていました。

 

確かに、その通りなんですよね。
「詳しく知るのが怖い」という気持ちはもちろん誰にでもありますが、
正しい知識を身につけなければ正しい選択もできないのです。

告知の後は…

告知の後は、手術するのか、それとも切らずに治す道を選ぶのかを
医師と一緒に考えていきます。

 

手術となれば、当然のことながら入院することになります。
ただし、今日告知されたからといって、
翌日から入院ということはほとんどないハズです。
医師の手術のスケジュールの都合がありますので、
場合によっては1ヵ月近く待たされる場合もあります。

 

告知のショックを引きずって家で待機…
というのは本人も家族も精神的に辛いものですが、
こればかりは仕方がありません。

 

病院から、必要な書類(「入院申込書」や「誓約書」、「同意書」、
「入院の注意事項」、「入院時の持ち物」等)を一式渡されますので、
必要なものを準備しながら入院の日を待つことになります。

 

告知された直後は、ショックで、
とても入院の段取りまで気が回らないと思いますが、
手術できるということは治る見込みがあるということだと思って、
1日も早く気持ちの切り替えをしましょう。

 

自分は絶対に負けない!
乳がんを克服して家に帰ってくるために入院するんだ!
…と、気持ちを強く持てる人は術後の回復も早いです。