乳がんの教科書

若年性乳がんとは?

「若年性乳がん」という言葉、
数年前からよく耳にするようになりましたよね。

 

若年性乳がんとは、35歳より若い年齢で発生する乳がんのことをいいます。

 

以前は、乳がんというと40代、50代、
60代の女性に多い病気というイメージがありましたが、
近年では20代や30代の若い年齢で乳がんに罹患する方も少なくないのです。

 

若年性乳がんの定義は年齢によるものだけですので、
病状については若年性でない場合と目立って部分はないようです。
しかし、様々な問題点が指摘されているのはむしろ病状以外の部分。

 

例えば、20代30代では、未婚であったり、
既婚であっても「これから子供を…」と出産を控えているケースが大多数。
精神的にも肉体的にもショックが大きいのです。
(もちろん、40代以上だからショックがないと言いたいわけではありません。
ただ、社会の見方から言うと、若年性乳がんの方のほうが
これからの人生にきたす支障が多少大きいといえるのではないでしょうか)

若年性乳がんによるダメージ

乳がんの治療というと、すぐに「乳房を切除する」という
外科的な治療法をイメージする方も多いことでしょう。

 

しかし、実際には、ホルモン治療や抗がん剤を使った化学的な治療法や、
放射線を使用した治療法、免疫細胞を利用した治療法など
様々な方法があります。

 

このいずれの治療法にも一長一短があり、
副作用が全くない治療法は「無い」に等しいというのが現在の実情です。

 

乳がん治療の大きな問題は、「女性である」というアイデンティティに
大きなダメージを与えるということです。
それは例えば、外科的な手術によってバストを失ってしまうことであったり、
抗がん剤の治療の副作用で脱毛してしまうこと、
ホルモン療法により生理がストップしてしまうこと、
放射線の治療で皮膚が赤くただれてしまうこと…。

 

治療が終われば元の体に戻りますし、
乳房の再建手術の技術が進歩しているとはいえ、
これらの治療で受けるダメージは本人でなければ分からないものです。

 

また、治療後に妊娠・出産・育児(授乳)に支障をきたすケースもあります。

 

このような問題は非常にデリケートなものですから、
本人はなかなか人に相談できないことが多いと思います。

 

周囲の人は
「命が助かってよかった」「元気になってよかった」
などと声をかけると思いますが、
本人の中では消化しきれない葛藤が残ってしまう場合が多々あります。

 

特に、まだまだおしゃれや恋を楽しみたい時期である20代に
若年性乳がんを発症してしまった場合、
その心理的ダメージは想像を絶するものがあると思います。

 

周囲があまり気を使い過ぎるのも良くありませんが、
不用意に病気の話題を口に出すのは考えものです。
患者のほうから話題を出してくるまで、
そのことには触れないほうが良いと思います。

若年性乳がんの原因とは

日本人の20人に1人の割合で乳がんを発症すると言われていますが、
その中でも特に若年性乳がんが増加中です。

 

原因として指摘されているのは、
食生活の欧米化や女性の体の発達の早さなど。

 

また、遺伝による家族性乳がんも指摘されています。
乳がんの発症に関係する遺伝子が見つかっており、
この遺伝子を受け継いでいる場合には
乳がんの発症率が高くなるというのです。

 

家族性乳がんの特徴は、一方の乳房に発症すると
もう片方の乳房にも発症するという点。
家系に乳がんの方がいる場合は、注意が必要です。

 

また、若年性乳がんの場合、
定期的に検診を受ける習慣が身についていない点も問題の一つ。
初期症状は無自覚無症状ですので、
「おかしいな」と感じて病院を受診する頃には
かなりのステージまで進行しているケースが多いのです。

 

若年性乳がんから自分の命やバストを守るためには、
とにかく早期発見が大切!
20代の頃から問題意識を強く持ち、
定期的に検診を受けて早期発見に努めましょう。