乳がんの教科書

家族の心得

妻や娘、母、姉、妹…。
あなたの家族が乳がんになった時、
どのようにサポートしていけば良いのでしょう。

 

乳がんを告知された時、闘病している間、患者の心は大きく変動します。
普段どんなに冷静な人でも、
精神的に不安定な状態に追い込まれることもあるでしょう。

 

そんな時、患者の心を支える上で家族が心がけるべきこととして、
国立がんセンターは図のような「6ヶ条」を提言しています。
kokoro

 

乳がん告知は家族にとってもショックが大きい出来事ですから、
これら全てを実践するのは難しいケースもあるかもしれませんが…。

 

一番辛いのは、患者本人。
なによりその点を尊重して、患者の心の声に耳を傾けましょう。

 

ここでは、家族が患者にどのように接していけば良いのか、
病気の段階ごとに考えてみたいと思います。

@しこりを発見した時

患者の心は、「もしかしたら乳がんかも…」という大きな不安と、
「そんなわけないよね」という楽観的な気持ちの間で大きく揺れています。

 

家族としては、過度に不安を煽らず
「とりあえず正確な診断をしてもらったら?そしたら安心するんじゃないかな」
…と、1日も早い受診を勧めるべきです。

 

どうしても気が進まないようなら、可能な限り、付き添ってあげましょう。

 

検査や診断の結果を待っている間も、心は不安で揺れています。
そんな時、傍にいて「まだ確かなことは分からないんだから!」と
ネガティブ思考のスパイラルを止めてくれる人がいると心強いでしょう。

 

A乳がん告知を受けたとき

強いショックを受けて、頭が真っ白になります。
「死んでしまうかもしれない」という絶望感と恐怖感、そして、
「なんで自分だけが」という怒りが込み上げ、
患者の心は混乱状態に陥るでしょう。

 

そういった感情を一人で背負いこませず、吐き出させることが大切です。
そして、我慢せずに泣かせてあげましょう。
そうすることで、治療や手術に対する
前向きな気持ちが生まれやすくなります。

 

告知〜入院(手術)まで1カ月近く期間が空いてしまうこともあり、
この間も、患者の心は
プラス思考とマイナス思考の間を行ったり来たりするでしょう。

 

家族に八つ当たりをすることもあるかもしれませんし、
家族自身がイライラしてしまうこともあるでしょう。

 

しかし、そこは家族が“大人”な対処をすべき時。
一緒に怒鳴り合いのケンカをしても、いたずらにお互いの心を乱すだけです。
患者に対しては極力いつも通りに接して、
“日常”を崩さないようにしてあげましょう。

 

過労や睡眠不足にならないように配慮してあげることは大切ですが、
必要以上に病人扱いをすると、かえって傷つけることになります。

 

B治療中

抗がん剤やホルモン剤、放射線の治療を受けている間は、
副作用の影響もあり、
「本当に治るんだろうか」という焦りや不安が生まれやすくなります。

 

そんな時は、一緒に治療計画を見直して、
「治療がスムーズに進んでいること」
「この治療にはどんな意味があるのか」
…を改めて確認すると良いでしょう。

 

また、患者自身が治療に対して何か不安な点を抱えているようなら、
一緒に医師の元に相談に行って、不安や疑問を解決してあげることも大切です。
また、患者の心が軽くなるようなリラックス方法を一緒に探してあげましょう。
(例:趣味、マッサージ、ヨガ、瞑想、呼吸法、アロマ、運動など)

C手術を受けた時

手術が成功し、ホッと一安心する一方で、今度は再発の不安と
ボディイメージ(外見)の変化に対する不安が生まれてきます。

 

同時に、
「会社に復帰できるだろうか」「いつも通りに仕事ができるだろうか」
という焦りも生まれてきます。

 

家族としては、「手術も成功したし、もう安心」と
楽観視してしまいがちな時期ですが、患者の心は
新たな不安でいっぱいなんだということを肝に銘じておきましょう。

 

この時期、安易に
「見た目は気にならないよ」などと口先だけのお世辞を言っても、
本人は傷つくだけ。
あまり外見については、触れないでおくのがベターです。

 

それよりも、治療費の支払いや会社への復帰時期の調整、
乳がん用の下着選びや手配など
現実的な手続き関係の相談に乗り、リードしてあげましょう。

 

本人の心は混乱していますので、
現実的な問題に対して
冷静に対処する余裕がなくなっている場合が多いのです。
身近な家族こそ、現実的な問題に冷静に対処すべきです。