乳がんの教科書

手術後のリハビリテーション

筆者の母もそうでしたが、乳がんの手術の後は、
腕や肩が動かしにくくなります。

 

しかし、病院というのは結構シビアで(笑)、
「いつまでも寝ているだけじゃあ、いつもの日常生活に戻れませんよ!
積極的に動いてくださいね」
…と指導されます。

 

そして、術後3日も経てば、「運動機能を少しでも早く回復させるために」、
次のようなリハビリテーションが始まります。
※あくまでも患者さんの手術の状況や体調の回復次第です。
ここでは、その一例をご紹介しましょう。

 

★乳がん手術後3〜4日頃のリハビリ
手術後は、指の力もびっくりするほど衰えています。
最初は、指〜ひじを動かすのがメインで、
徐々に“握る”動作ができるようなリハビリへと発展させていいきます。
動作は、無理せずゆっくり行うのがポイント!
各動作を5〜10回ずつ行います。

 

・指を大きく動かして、グー、チョキ、パーとじゃんけんする
・指を1本ずつ折り曲げ、1本ずつ伸ばしていくという「数数え」
・タオルやボールを力を込めて握る練習
・ひじの関節を曲げたり伸ばしたりする練習

 

 

★乳がん手術後4日〜1週間頃のリハビリ
徐々に、指〜ひじの動きが滑らかになってきます。
次は、腕全体を動かすことで肩関節の可動域を広げていきます。

 

・腕を上げ下げする練習
・ボールを両手で挟み、力を込めて押しつぶす練習
・手術した側の手首を反対側の手で握って、上方へ引き上げる練習

 

 

★乳がん手術後1週間〜2週間頃
肩の関節がやわらかくなってきたら、動きをより滑らかにするリハビリを始めます。

 

・手術をした側の腕を頭上に上げ、反対側の耳をさわる(耳タッチ)
・手術をした側の手を後ろに回して背中にさわる(背中タッチ)
※それぞれ、10秒くらいキープ。5〜10回を目安に繰り返す。
・ロープを利用して腕を回す
・肩の開閉
手を頭の後ろへ持っていき、両ひじをつけるように前に寄せる。
→両ひじを広げ、最大に広げたところで3秒キープ)
(広げる幅をだんだん広くする)

 

リハビリは退院後も続けよう!

切除する範囲にもよりますが、乳がんの場合、
入院期間はだいたい2週間前後が目安。
入院している間に体力や身体の動きもだいたい戻ってきますが、
まだまだ本調子ではありません。

 

退院時にも、医師から

 

「日常生活そのものがリハビリですから。無理は禁物ですが、
ずっと寝ている必要はありませんから、よく身体を動かして
身体を生活に慣らしていってくださいね」

 

…と注意されます。(あくまでも、寝たきりである必要はないのです!)

 

筆者の母も、退院してからもマメにリハビリ運動を続けていましたね。
具体的には、次のようなリハビリです。(病院から指導を受けたようです)
毎日、少しずつコツコツ続けていたおかげか、
早い段階で普通に日常生活を送れるようになりましたよ◎

 

 

★乳がん退院後のリハビリ@ 腕の筋力トレーニング
ひじを伸ばしたまま、腕を後ろへ持ち上げる

体側から肩の高さまで持ち上げる

体側から前にまっすぐ上に上げ。ゆっくり下に下ろす

 

 

★乳がん退院後のリハビリA 腕のストレッチ
長い棒を用意する

腕を肩幅より少し開いて棒を持つ

伸ばしたところで5〜10秒キープ
これを5回1セットで1日2セット行う

 

 

★乳がん退院後のリハビリB 胸のストレッチ
部屋の壁から50cmほど離れて立ち、ひじと肩を左右同じ高さで壁に当てる

両足の膝をまっすぐに伸ばし、ゆっくり胸を伸ばす感じで壁にもたれかかっていく

5〜10秒キープ

ゆっくりと体を起こす

 

 

この他にも、母は、体力をつける目的で
1日30分〜1時間の ウォーキングをしていました。
(それは2年経った今も続けています)
ずっと家に引きこもっているよりも、外の風景を見たり風を感じたりしたほうが
精神的なリフレッシュにもつながっていたようです。

 

手術のショックが大きいと
なかなかリハビリにも前向きになれないかもしれませんが、
実際に身体を動かすことで気持ちが紛れることも多いようですので、
少しずつでもリハビリを始めてみましょう。