乳がんの教科書

乳がんを予防するための生活習慣とは?

乳がんを含め、“がん”という病気全般に言えることですが、
遺伝的な要素以上に
日頃の生活習慣が大きく影響する病気であることが分かっています。

 

実際、「国立がんセンター」では「がんを防ぐための12か条」を提唱し、
生活習慣を見直すことの大切さを訴えています。
yobo

 

この12ヶ条の一つに含まれているのが、「適度な運動」。
実は、他の多くの研究結果でも、運動不足が
乳がんの発生率を高めることが明らかとなっているのです。

 

なぜなら、乳がんの発がんを促進する女性ホルモン(エストロゲン)は、
卵巣の他に体脂肪からも産生されるから。
つまり、

 

運動不足

肥満

体脂肪増える

エストロゲン産生も増える

乳がん
…という構図が発がんリスクを高めているようなのです。

 

「日頃から適度な運動を行っている人は、乳がんの発生率が30%も減る」
といったデータもありますので、
乳がんの再発を防ぐためにも適度な運動が必要です!

 

(※ちなみに、乳がんと大腸がん以外のがんでは、
運動による発がんリスクの低下は
はっきりとは証明されていないのだそうです)

 

乳がん再発率を下げる運動量とは!?

では、“適度な”運動とは、どの程度の運動量を指しているのでしょうか?
乳がんの再発を効果的に予防するためには、
1日にどのくらい運動すれば良いのでしょう。

 

乳がん治療後の再発率を下げるための運動量については、
ハーバード大学とBrigham and Women's Hospitalの研究者が行った
研究が有名です。
(2005年発表 「乳がん診断後の身体活動と生存」
(Physical activity and survival after breast cancer diagnosis.)

 

この研究では、身体活動の度合いを[MET] hours per weekで評価し、
ステージI,II,IIIと診断された女性を追跡調査しています。
結果は、「身体活動 3MET-hours/週」を基準に
以下のように判定されています。

 

(3MET-hours : 2〜2.9マイル/時で1時間歩く仕事量に相当)

 

・3-8.9MET-hours/週のグループ…死亡の相対危険度は0.80
・9-14.9 MET-hours/週のグループ…死亡の相対危険度は0.50
・15-23.9 MET-hours/週のグループ…死亡の相対危険度は0.56
・24 MET-hours/週以上のグループ…死亡の相対危険度は0.60

 

この研究では、
3 MET-hours/週未満の患者の乳がんの死亡リスクと比較すると
9MET-hours/週以上の患者は
10年後の死亡率が6%減少することが分かっています。

 

つまり、乳がんの再発予防に最も効果的なのは、
週3〜5時間のウォーキング。
これ以上歩いても、科学的にはあまり意味がないということになります。

過度の運動はがんを促進するリスクあり!

前述の通り、適度な運動は乳がん再発予防に効果的。
しかし、何事も過ぎたるは及ばざるがごとし。
過度の運動はかえってがんの再発に逆効果であることも知られています。

 

なぜなら、体内に有害な活性酸素が増えてしまうから。
運動するということは、体内に大量の酸素を吸い込むことでもありますが、
この酸素の構造が変化すると、多量の活性酸素が生み出されます。

 

この活性酸素は、身体の細胞を“酸化=サビつかせる”元凶。
細胞内のDNAを傷つけることでがんの発生を促進するとも言われています。
実際、「プロのスポーツ選手は短命である」
という説もあるくらい…!

 

疲労が翌日に残るような過度の運動はおススメできません。
あくまでも、“精神的なリフレッシュを兼ねて”、
心身のストレスにならない程度に運動するのがベスト。

 

最初は特に、あせらず・ゆっくり、
自分のペースで無理のない運動から始めましょう。